CAR-T細胞療法は、再発した、あるいは複数の標準治療に反応しなかった一部の血液がん患者に検討される治療であり、初めて診断された段階でいきなり用いる治療ではありません。
要点まとめ
- CAR-T療法は、患者自身のT細胞にがん細胞を認識する人工受容体を取り付けて体内に戻す細胞療法です(国家がん情報センター)。
- 対象となるのは主に再発・難治性のB細胞リンパ腫、急性リンパ芽球性白血病、多発性骨髄腫など一部の血液がんであり、固形がんについてはまだ研究段階です。
- 代表的な副作用であるサイトカイン放出症候群(CRS)と神経毒性(ICANS)は、投与後数日〜2週間の間に現れることがあるため、専門の対応体制を備えた病院でのみ実施されます。
- 細胞採取から製造、前処置、投与、経過観察まで、全過程で2か月以上の滞在が必要になるケースが多くあります。
- 移植とCAR-Tのどちらを先に行うかは、病気の種類やこれまでの治療歴、ドナーの有無によって担当医療チームが判断します。
どのような血液がん・条件でCAR-Tが検討されますか?
- CAR-Tは、すでに標準治療を受けたものの再発した、あるいは効果が得られなかった場合に検討される治療であり、初めて診断された段階でいきなり用いる治療ではありません。
- 代表的には、再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を含むB細胞リンパ腫、小児・若年成人の急性リンパ芽球性白血病、複数回の治療を受けた多発性骨髄腫が該当します。
- 適応可否を分ける条件は、病型(サブタイプ)、これまで受けた治療の種類と回数、全身状態、心臓・肺・腎臓の機能、活動性感染の有無、中枢神経への浸潤の有無です。固形がんにはまだ標準治療として用いられておらず、臨床試験への参加可能性を確認する段階にあります。
治療はどのような順序で進みますか?
- 第1段階 T細胞採取 — 血液を循環させてT細胞のみを集める処置で、数時間かかりますが麻酔は不要です。
- 第2段階 細胞製造 — 採取した細胞を製造施設に送ってCAR-T細胞を作る工程で、通常数週間かかり、この間に病気が進行しないよう橋渡し治療(中間治療)を受けることが多いです。
- 第3段階 前処置化学療法 — 投与の数日前にリンパ球を減らす化学療法を行い、新しい細胞が定着する場所を確保します。
- 第4段階 投与 — CAR-T細胞を静脈内に投与し、原則として1回のみ実施します。
- 第5段階 経過観察 — 副作用観察のため2週間前後入院し、退院後も一定期間は病院の近くに滞在しながら頻繁に外来を受診します。
副作用はどのように管理しますか?
- サイトカイン放出症候群は、免疫反応が一度に起こることで高熱、悪寒、血圧低下、酸素不足などが現れる状態で、軽い発熱で済む場合もあれば、集中治療が必要なほど重症化する場合もあります。
- 神経毒性は、ろれつが回らない、字が書けない、意識が混濁するといった形で現れ、付き添いの家族が先に気づくことが多いため、観察期間中は同伴者が一緒に過ごすことを原則としてご案内しています。
- いずれの症状にも対応する薬剤と手順が定められており、病院の近くで速やかに知らせることが重要です。このほか、血球減少や免疫グロブリン低下により感染に弱くなる期間が続くため、予防的な抗生剤投与や免疫グロブリンの補充が必要になることがあります。
よくある質問 — 移植とCAR-T、どちらを先に行うべきですか?
病気の種類、これまでの治療歴、ドナーの有無、現在の病状によって順序は変わります。両方を検討した結果は所見書にまとめてお渡しし、最終的な順序は担当医療チームと相談のうえ決定します。
よくある質問 — 韓国でCAR-Tを受けられますか?
CAR-T細胞療法はすでに韓国国内に導入されており、細胞採取と集中治療対応体制を備えた上級総合病院の血液内科で実施されています。どの製品がどの適応に使用できるかは時期によって変わるため、該当するかどうかは事前レビューの段階で確認いたします。海外からの患者さまの場合、細胞の製造や搬入・搬出手続き、病院ごとの受け入れ条件が異なることがあるため、事前の確認が特に重要です。
出典および注意事項
- 本稿は、血液がん・CAR-T細胞療法に関する資料(国家がん情報センター、NCCN患者向けガイドライン、国家がん登録統計2019〜2023)をもとに作成しました。
- 本コンテンツは一般的な医学情報の提供を目的としており、個人の状態によって診断・治療方法および結果は異なる場合があります。正確な診断と治療については、必ず医療チームとの相談を通じて決定してください。