多発性骨髄腫は手術ではなく、抗体治療薬・プロテアソーム阻害薬・免疫調節薬・ステロイドを組み合わせた薬物療法から始め、条件が合えば自家造血幹細胞移植と維持療法へとつなげていく血液がんです。
要点まとめ
- 多発性骨髄腫は、抗体治療薬、プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、ステロイドを併用する組み合わせ療法から治療を始めます(国家がん情報センター)。
- 年齢と臓器機能が条件を満たせば自家造血幹細胞移植を行い、その後維持療法を続けます。
- 診断では骨髄検査に加えて、血液・尿中のM蛋白、フリーライトチェーン、腎機能、カルシウム、全身MRIやPET検査が追加されます(国家がん情報センター、NCCN患者向けガイドライン)。
- 骨を守る薬と腎臓保護の治療を並行して行うのが一般的です。
- 自家移植は滞在基準で入院3~6週を含め、全体で6~8週を見込む場合が多いです。
多発性骨髄腫とはどんな病気で、どのように診断するのか
- 多発性骨髄腫は、骨髄内の形質細胞が異常に増える血液がんの一種です。骨盤骨から骨髄液と組織を採取する骨髄検査が診断の中心となり、細胞形態、フローサイトメトリー検査、染色体検査、遺伝子検査(TP53など)でリスク群を判定します。
- これに加えて、血液と尿のM蛋白、フリーライトチェーン検査、腎機能、カルシウム値、骨の状態を見る全身MRIやPET検査を行います。このリスク群が、抗がん治療のみで進めるか移植まで進めるかを決める基準になります。
- 治療開始前には心臓・肺・肝臓・腎臓の機能、B型・C型肝炎、HIV、結核、サイトメガロウイルス感染の有無も確認します。血液がんの治療は免疫力を大きく低下させるため、この検査は治療計画の一部となります。
標準治療はどのような順序で進むのか(一般論)
- 第1段階 診断とリスク群分類 — 骨髄検査、M蛋白・フリーライトチェーン検査、染色体・遺伝子検査でサブタイプとリスク群を決定します。
- 第2段階 導入療法 — 抗体治療薬、プロテアソーム阻害薬、免疫調節薬、ステロイドを組み合わせた療法から開始します。
- 第3段階 移植適応の判断 — 年齢と臓器機能が条件を満たせば自家造血幹細胞移植を検討します。移植は自身の造血幹細胞をあらかじめ採取しておき、高用量の抗がん治療の後に戻す方法です。
- 第4段階 維持療法 — 移植後も維持療法を続けながら、骨を守る薬と腎臓保護の治療を併行します。
- 第5段階 経過観察 — M蛋白とフリーライトチェーン、腎機能、カルシウム値を決められた間隔で追跡します。
副作用と回復期間はどの程度か
- 高強度の抗がん治療や自家移植の後は、白血球がほとんどない期間が数日から数週間続き、この時期は発熱と感染が最大のリスクとなるため、無菌病棟で過ごしながら抗生剤と輸血で管理します。
- 口内炎で食事が難しい期間、吐き気、下痢、脱毛、強い倦怠感がよく見られる反応です。移植では新しい造血幹細胞が定着する生着までおおむね2~4週かかります。
- 自家移植は同種移植と異なり、ドナーの免疫細胞が患者を攻撃する移植片対宿主病が起こらない点が違います。回復には個人差があり、担当医療チームの判断によって管理方法が変わることがあります。
よくある質問 — 韓国で自家移植を受けるにはどのような記録が必要か
骨髄穿刺・生検の報告書、染色体・遺伝子検査(FISHなど)、血液・尿のM蛋白とフリーライトチェーン検査の記録、これまで受けた抗がん剤の名称・用量・サイクル数と反応、心エコー・肺機能・肝腎機能検査、診断書とパスポートの写しを準備されることをお勧めします。投薬歴は次の治療方針を決める最も重要な情報です。
よくある質問 — 治療費用と滞在期間はどのように決まるのか
事前レビュー費用は100万ウォンで、事前レビュー後に治療を契約された場合はこの金額が診療費から差し引かれます。移植費用は前処置の抗がん治療、移植処置、無菌室入院、薬剤費、ドナー検査(該当する場合)の項目に分かれ、病院のお見積りで確定します。滞在期間は抗がんサイクル4~6週、自家移植は入院3~6週を含め全体で6~8週を目標とする場合が多いです。
出典および留意事項
- 本稿は血液がんノートと造血幹細胞移植ノート(国家がん情報センター、国立がんセンター、NCCN患者向けガイドライン、medicalkorea.or.kr)を基に作成しました。
- 本コンテンツは一般的な医学情報の提供を目的としており、個人の状態によって診断・治療方法や結果は異なる場合があります。正確な診断と治療については、必ず医療チームとの相談を通じて決定されるようお願いいたします。