好中球減少症(一般に白血球減少と呼ばれます)は、抗がん化学療法によって感染と闘う白血球の数が一時的に大きく減少する状態で、このときに38℃以上の発熱があると感染が急速に広がるおそれがあるため危険とされています。
要点まとめ
- 白血球数の減少は、抗がん化学療法開始後およそ1週間で始まり、2週目に最も低くなり、3週目頃に回復するという経過をたどります(国家癌情報センター)。
- 危険とされる理由は、白血球、特に感染と闘う細胞が減少している状態では、ささいな感染でも急速に悪化しうるためです。
- 38℃以上の発熱や強い悪寒がある場合は、昼夜を問わずただちに医療スタッフに連絡するか、救急外来を受診する必要があります(国家癌情報センター、米国国立がん研究所 NCI)。
- 悪寒、咳・のどの痛み、下痢、口の中のただれや白い膜、カテーテル部位の腫れ・赤み、尿に血が混じる、排尿時の痛みなども感染のサインとして併せて確認する必要があります(NCI)。
- 手洗い、体調の悪い人や人混みを避けること、肉・魚・卵を十分に加熱して食べることなどの生活上の注意点が、感染予防として推奨されています(NCI)。
好中球減少症とは正確には何ですか?
- 好中球減少症とは、抗がん剤ががん細胞だけでなく骨髄内で活発に増殖する正常な血液細胞にも影響を及ぼすことで、細菌や真菌など外部からの侵入を防ぐ白血球の数が正常値より低下する状態を指します。
- 抗がん剤はがん細胞とともに増殖の速い正常細胞にも作用するため、吐き気・嘔吐、口内炎、脱毛、倦怠感とともに白血球減少が、よく見られる副作用の一つとして案内されています(国家癌情報センター)。
- 経過は治療サイクルに応じてある程度予測が可能で、開始後1週目に減少し始め、2週目に最も低い時点を経て、3週目に回復するという流れをたどります(国家癌情報センター)。ただし、使用する薬剤や用量、個人差によって異なる場合があります。
なぜ危険だとされるのですか?
- 白血球が最も少なくなる時期には、体が細菌やウイルスの侵入を十分に防げなくなり、普段であれば軽症で済む感染症でも短時間のうちに重症化するおそれがあります。
- そのため、体がぞくぞくと寒気がして38℃以上の発熱がある場合は救急外来を受診するよう案内されており、併せて口腔・皮膚・尿路・肛門・注射部位・中心静脈カテーテル挿入部位に赤みや腫れがないか確認する必要があります(国家癌情報センター)。
- 米国国立がん研究所(NCI)も、38℃(100.5℉)以上の発熱を医療スタッフへの連絡基準として示しており、悪寒、咳やのどの痛み、下痢、口の中のただれや白い膜、カテーテル部位の腫れ・赤み、尿に血が混じる、排尿時の痛みを、併せて確認すべき感染のサインとして案内しています。
この時期にはどのように注意すればよいですか?
- ステップ1:食事前を中心に、石けんと温かい水でこまめに手を洗います。
- ステップ2:体調の悪い人や人混みをできるだけ避けます。
- ステップ3:肉・魚・卵は十分に加熱してから食べます。
- ステップ4:体温をこまめに確認し、症状が出た時刻・体温・服用した薬をメモしておきます。
- ステップ5:38℃以上の発熱や強い悪寒、または前述の感染のサインが見られた場合は、担当の医療スタッフにすぐ連絡し、連絡が取れない場合は救急外来を受診します(国家癌情報センター、NCI)。
よくある質問 — 少しの発熱でも病院に行くべきですか?
はい、基準は38℃です。38℃以上の発熱や強い悪寒がある場合は、昼夜を問わずただちに担当の医療スタッフに連絡するか、救急外来を受診する必要があると案内されています(国家癌情報センター、米国国立がん研究所 NCI)。発熱がそれほど高くなくても、悪寒、咳・のどの痛み、下痢、カテーテル部位の腫れ・赤みといったサインがあれば、併せて伝えることが望ましいです。
よくある質問 — 白血球数が回復するまでどれくらいかかりますか?
国家癌情報センターの資料によると、抗がん化学療法開始後1週目に減少し始め、2週目に最も低くなり、3週目頃に回復するという流れが一般的です。ただし、これはあくまで典型的な経過であり、使用する薬剤の種類、用量、患者個人の骨髄の状態によって差が生じる場合があるため、実際の数値は治療サイクルごとに血液検査で確認することになります。
出典および留意事項
- 本記事は、抗がん治療の副作用管理に関する原則(国家癌情報センター、米国国立がん研究所 NCI)の資料をもとに作成しました。
- 本コンテンツは一般的な医学情報の提供を目的としており、個人の状態によって診断・治療方法や結果は異なる場合があります。正確な診断と治療については、必ず医療スタッフとの相談を通じて決定してください。