BCLC病期は、肝がんの大きさ・個数・血管浸潤といった腫瘍要因に、肝機能(Child-Pugh分類)および全身状態までを組み合わせて治療方針を決める肝がん専用の病期分類体系であり、同じ大きさの腫瘍であっても肝機能によって可能な治療が異なります。
要点まとめ
- 肝がんはTNM病期のみで治療方針を決めるのではなく、腫瘍の状態・肝機能(Child-Pugh分類)・全身状態の3つを組み合わせたBCLCのような病期分類を多く用います。
- 大きくは超早期・早期(切除・焼灼・移植が可能)、中期(肝臓内に複数個、塞栓術が中心)、進行期(血管浸潤・肝外転移、薬物治療が中心)、末期(肝機能低下、症状コントロールが中心)に分かれます。
- 同じ大きさの腫瘍であっても肝機能によって選択できる治療が変わるため、画像所見とともに、ビリルビン・アルブミン・凝固能などの肝機能検査結果がレビューの要となります。
- 韓国における肝がんの5年相対生存率は40.4%です(国家がん登録統計 2019–2023)。これは国全体の統計であり、個人の結果を予測する数値ではありません。
- 生存率や病期の解釈は特定の病院の成績ではなく国家統計であり、実際の治療順序は担当医療チームとの相談によって決定されます。
BCLC病期は何を見て分類しますか?
- BCLC(バルセロナ臨床肝がん病期分類)は、腫瘍要因・肝機能・全身状態を組み合わせて判断する肝がん専用の病期分類体系です。肝がんは多くの場合、慢性肝炎や肝硬変を背景として発生するため、がんの大きさ・個数だけでは治療方針を決めることができず、肝臓が手術や処置に耐えられるかどうかも併せて反映される必要があります。
- 具体的には、第一に腫瘍の個数・大きさ・血管浸潤の有無、第二にビリルビン・アルブミン・凝固能・腹水・黄疸の有無を総合したChild-Pugh分類で評価する肝機能、第三に患者さんの全身状態という3つを併せて評価します。これら3つのうちいずれか一つでも状態が悪ければ、同じ大きさの腫瘍であっても選択できる治療が限られてきます。
BCLC病期ごとに治療はどのように異なりますか?
- 超早期・早期の段階(腫瘍が小さく個数が少なく、肝機能が良好な場合)では肝切除が第一選択となり、位置や肝機能の問題で切除が難しい場合はラジオ波焼灼術で腫瘍を焼いて消滅させます。肝機能がかなり低下していても、腫瘍の大きさ・個数が基準の範囲内であれば、肝移植が根治的治療となります。
- 中期の段階(肝臓内に複数の腫瘍がある場合)では、肝動脈化学塞栓術(TACE)で腫瘍に栄養を供給する血管を塞ぐ方法が中心となり、放射線塞栓術や定位放射線治療・粒子線治療を組み合わせる方法、あるいは全身薬物治療を先行させる方法も検討されます。
- 進行期の段階(血管浸潤または肝外転移)では全身薬物治療が中心となり、免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬を組み合わせる方法が一次治療の標準に組み込まれており、条件に応じて経口分子標的薬を用います。
- 肝機能がかなり低下した末期の段階では、抗がん治療がかえって肝臓を傷める恐れがあるため、症状コントロールと肝機能の温存、移植の可能性の検討が中心となります。
診断と病期判定はどのような順序で進みますか?
- 第1段階:肝硬変や慢性肝炎がある場合、造影CTまたはMRIで肝がんに特徴的な血流パターン(動脈相で濃く描出され、その後洗い出される所見)が確認されれば、組織検査なしでも診断が確定します。
- 第2段階:AFPなどの腫瘍マーカーも併せて確認し、画像所見が曖昧な場合や他のがんからの転移が疑われる場合に限り組織検査を実施します。
- 第3段階:腫瘍の個数・大きさ・血管浸潤、Child-Pugh分類で評価した肝機能、全身状態を総合してBCLCなどの病期を決定します。
- 第4段階:病期に応じて切除・焼灼・塞栓術・放射線治療・移植・薬物治療のうちどの流れで進めるかを、肝胆膵外科・消化器内科・放射線腫瘍科・放射線診断科が合同で判断します。
よくある質問 — BCLC病期や治療法は変更できますか?
塞栓術を複数回受けたものの反応が低下してきた場合のように、治療経過を見ながら全身薬物治療や放射線治療へ切り替える流れを検討することがあります。これまで受けた塞栓術の回数と範囲、その都度の画像記録が次の段階を判断する根拠となります。
よくある質問 — 生存率の数値は自分の病期にそのまま当てはまりますか?
いいえ、当てはまりません。韓国における肝がんの5年相対生存率40.4%(国家がん登録統計 2019–2023)と、SEER基準による米国の21.9%(2016–2022)は、いずれも特定の病院ではなく国全体の統計です。肝がんは同じ病期であっても肝機能や門脈圧、肝炎の状態によって推奨される治療や経過が大きく異なるため、個人の結果を予測する数値として見ることは難しいといえます。
出典および留意事項
- 本記事は、国家がん登録統計 2019–2023(国立がんセンター中央がん登録本部)、SEER 2016–2022、国家がん情報センターおよびNCCN患者向けガイドラインの水準に基づく一般的な説明を参考に作成しています。
- 本コンテンツは一般的な医学情報の提供を目的としており、個人の状態によって診断・治療方法および結果は異なる場合があります。正確な診断と治療については、必ず医療チームとの相談を通じて決定してください。