抗がん化学療法中の悪心・嘔吐は、約70~80%の患者が経験するよくある症状で、投与後1~8時間以内に現れ1週間ほど続くこともあります。担当医療スタッフが処方する制吐薬の服用と、症状の記録・報告が管理の基本です。
要点まとめ
- 悪心・嘔吐は約70~80%の患者が抗がん化学療法中に経験し、投与後1~8時間以内に現れて1週間ほど続くことがあります。(国家がん情報センター)
- 制吐薬は担当医療スタッフが患者の状態に合わせて処方するものであり、患者自身が勝手に用量を調整しないことが原則です。
- 嘔吐が止まらず水も飲めない、または1日に何度も下痢が続く場合は、すぐに連絡すべきサインです。
- 38℃以上の発熱や悪寒を伴う場合は、昼夜を問わずただちに担当医療スタッフに連絡するか、救急外来を受診する必要があります。
- 症状が出たら発生時刻と服用した薬をメモしておくと、医療スタッフとの相談がスムーズになります。
抗がん剤投与後、何日も吐き気が続いていますが正常でしょうか?
- 正常な範囲内である可能性もありますが、個人差が大きいものです。国家がん情報センターの資料によると、悪心・嘔吐は投与後1~8時間以内に始まり、長い場合は1週間ほど続くことが知られており、投与後数日間症状が残ること自体は珍しいことではありません。
- ただし症状の持続期間や強さは人によって、また使用する薬剤によっても異なるため、「正常かどうか」を自己判断するのではなく、感じた症状をそのまま担当医療スタッフに伝えることが原則です。
- 嘔吐が止まらず水すら飲み込みにくい場合や、下痢が1日に何度も続く場合は、次回の予約を待たずにすぐに連絡すべき状況です。
吐き気を軽減するためにできることは何でしょうか?
- 韓国の病院では、抗がん治療開始前に副作用に関する説明教育を行い、制吐薬を患者の状態に合わせて処方することで、症状の発生自体を抑えるアプローチを取っています。
- この薬は担当医療スタッフが決めるものであり、患者が勝手に増減しないことが重要です。症状がコントロールできない場合、薬の変更や追加も医療スタッフの判断によります。
- また、抗がん剤は白血球数を低下させ感染リスクを高めることがあるため、食事前の手洗い、肉・魚・卵を十分に加熱して食べるといった感染予防の注意事項も併せて守ることが推奨されます。
症状が出たらどのような順序で対処しますか?
- ステップ1:吐き気や嘔吐が始まったら我慢せず、症状の発生時刻と程度、服用した薬をメモしておきます。
- ステップ2:次回の診察や電話相談の際に担当医療スタッフへそのまま伝え、処方された制吐薬を指示通りに服用します。
- ステップ3:水すら飲み込みにくいほど嘔吐が止まらない、または1日に何度も下痢を伴う場合は、次回の予約を待たずにすぐに連絡します。
- ステップ4:38℃以上の発熱や悪寒が同時に現れた場合は緊急事態とみなし、ただちに担当医療スタッフに連絡するか、連絡が取れない場合は近くの救急外来を受診します。
よくある質問 — 少し熱があるのですが、吐き気と一緒に出ても大丈夫でしょうか?
- 38℃以上の発熱が、体がぞくぞくと寒く感じる症状とともに現れる場合は、救急外来を受診すべき基準です。このとき、口腔・皮膚・尿路・肛門・注射部位・中心静脈カテーテル挿入部位に赤みや腫れがないかも併せて確認する必要があります。(国家がん情報センター、アメリカ国立がん研究所NCI)
- 悪寒、咳や喉の痛み、口内の傷、カテーテル部位の腫れや赤みも感染のサインとして案内されているため、吐き気と発熱が同時にある場合は軽く考えず、すぐに連絡することが推奨されます。
よくある質問 — 海外の患者は症状が出たときどのように連絡しますか?
- 海外の患者は、発熱時に連絡すべき病院の電話番号と、夜間・休日の救急外来の場所をあらかじめ受け取っておくことが推奨されます。症状の発生時刻・体温・服用した薬をメモしておくと、医療スタッフとの相談がスムーズになります。
- 制吐薬、口内炎用のうがい薬、白血球を増やす注射といった処方は、すべて担当医療スタッフが患者の状態に合わせて決定するもので、これは他の副作用管理と同じ原則です。
出典および留意事項
- 本記事は、国家がん情報センターの資料(抗がん治療副作用管理の原則)と、アメリカ国立がん研究所(NCI)の資料(感染・倦怠感関連の副作用情報)をもとに作成しました。
- 本コンテンツは一般的な医学情報の提供を目的としており、個人の状態によって診断・治療方法や結果は異なる場合があります。正確な診断と治療については、必ず医療スタッフとの相談を通じて決定してください。